ワールド・カップ終了

日本が予想以上に健闘したことから、サッカーW杯は大変な盛り上がりとなった。日本が未だ勝ち残っていた時に、その日一日にお話する機会のある人達のほぼ全員に「W杯に興味をお持ちですか?」と聞いてみることにした。
 男のビジネスマンが回答の多数派であったが、結構忙しい人でも情勢は把握しており、予想もしなかった人がW杯目当てにスポーツ紙を買っているケースまであった。「興味がないから、新聞の見出しを見るくらいで、まったく迷惑なイベントである」といった回答はまったくなかった。驚くべきことである。「告白」のようなストライキングな映画を観てしまうと、サッカーなど観る気にならなくなってしまう。スペインVSオランダの決勝戦は、早く起きてしまったので、後半戦をリアルタイムで見た。実力拮抗の好試合であったが、結果を知ってしまうと、DVDをまき戻して最初から見直す気にはならない。
 何故、W杯は世界中が盛り上るのだろうか?世界中が盛り上っているから、盛り上るとしか思えない。薄汚れた相撲や間延びした野球よりサッカーを観る方が面白いが、2時間近く単調なボール蹴りを観ることが本当に人類の楽しみなのであろうか?ギリシャよ、イタリアよ、スペインよ、ポルトガルよ、ボール・ゲームで盛り上るより、借金を返すことを考えろ。南アよ、北朝鮮よ、ナイジェリアよ、ボール・ゲームより国民全員に飯が食えるようにしてやってくれ。
 独裁者は社会の矛盾から目をそらさせ、ナショナリズムという名目で独裁者に盲従するように、スポーツを奨励するのが常である。もっと沢山の人に「W杯には興味なし」と言って欲しかったような気がする。明確に「興味なし」と言い切ったのは、1年生の孫であった。兄ちゃんがサッカーをやっていることに反発しているのかもしれないが、「退屈で興味がないからテレビも観ないで、本を読んでいる」と言い切った。嬉しくもあったが、同時に、私のようにやや孤立した人生を送るのではないかと心配にもなった。
 兎にも角にも、W杯終了。