2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

対中国制裁試案

25日の「元の切り上げや自由化をしないのであれば、日本とアメリカは国債を中国には売らないことにする」という意見が理解出来ないと言われたので、少し詳しく説明します。この意見はD・グロス欧州政策研究センター所長がWSジャーナルに投稿されたもの…

尖閣諸島問題

昔、ニューヨークで働き始めてすぐに気が付いたことは、ニューヨークではこちらが押し続けていないと押されてしまうということである。香港の怒鳴り合いと押し合いはもっと酷い。国際関係の仕事ではこれがグローバル・スタンダードで、こちらが譲歩したこと…

「悪人」VS「インスタント沼」

上映中の映画「悪人」はモントリオール主演女優賞受賞が話題にならなければ、観に行かなかったかもしれない作品であるが、上映中は完全に映画に集中させられたという意味では良い映画だと思う。このように考えさせるものを持った佳作が、興行的にもヒットし…

自力救済

前回のブログがあまりにアメリカ一辺倒であるとのご意見もありましたので、バランスをとる意味もあり、反対の立場も述べたいと思います。下記は、ジョセフ・ナイ(JFケネディ・スクール名誉教授)が駐日大使の最有力候補と言われていた時期に頻繁に言われ…

「カティンの森」は現代日本の問題

2008年7月5日のブルグに、アンジェイ・ワイダの映画「カティンの森」について書いているが、やっと観ることができた。家から5分のユナイテッド・シネマが単館系の話題作を1周遅れの割り料金で観せるプログラムを始めてくれたので、大変助かっている…

佐藤優「国家の罠」

鈴木宗男有罪確定を機会に、積読になっていた本書を読むことにした。5年も前から評判になっていた本書をなかなか読む気にならなかったのは、直感的に信用できる本ではないと感じていたことと読みにくい文章であったことによる。「講釈師、見て来た様な嘘を…

コップの中の嵐(3)

民主党代表選挙で菅総理が大勝した。国会議員に限った得票比率はほぼ拮抗していたが、選挙を仕切った小澤幹事長が西も東も分からないような新人議員から受けた恩返し得票を差し引いて考えれば、予想以上の大勝と考えられる。軒を貸しただけの民主党が、薄汚…

「スギハラ・ダラー」「ウルトラ・ダラー」

面白い読書で厳しい残暑が忘れられればと、手嶋龍一さんの「スギハラ・ダラー」を読んだ。小説家としてのデビューになる前作「ウルトラ・ダラー」が大変面白かったので、本作も期待して読んだ。しかし、残念ながら、前作が傑作すぎたのか、著者の個性が悪い…

イギリスの夏(5)

「17歳の肖像」というイギリス映画があります。原題は"An Education"で、1961年を舞台とする人気記者の回顧録に基づき2009年に映画化され、多くの映画祭で高く評価されています。原題の方が映画の問題意識に忠実で、日本マーケット向けの邦題は内…