映画

DVD4枚1000円

東北大震災の後、あまり映画を観る気になれなかったが、「インサイド・ジョッブ」を教材に使うことにしたので、久しぶりに映画DVDをたて続けに観た。新作2本を含め、DVDレンタル4枚で1000円と言われると、4枚借りないわけにはいかない。元々、シニア…

「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」

私が専門にしてきた金融分野を対象にしたアカデミー賞受賞ドキュメンタリーであるから、観るのを楽しみにしていた。映画館は遠隔地だったので、DVD化されたので早速観賞した。 マイケル・ムアーのドキュメンタリーよりは正統派で洗練された作りで、イルカ…

「マイ・バック・ページ」

東日本大震災の本当のドラマを見聞きしていると、映画に行って人工的で矮小なドラマを観る意欲が失せて来てしまう状況が続いているが、幾つかの理由が重なり、遅ればせながら「マイ・バック・ページ ある60年代の物語」を観に行った。 本作を一言で言えば…

「ブラック・スワン」

東日本大震災による悲劇、人情劇、人間の生き様等々を見聞きしていると、映画に行って人工的で矮小なドラマを観る意欲が失せて来てしまうが、バレー・ダンサーを主人公にした本作は、愛娘の半生を思い浮かべて、観に行かざるを得なくなる映画である。 娘は、…

「東京原発」

突然、事故のレベルがチェルノブイリ同様の7に引き上げられたり、「東電の福島原発では、事故収拾の道筋は依然として見えない」という表現が枕詞になってきた等々、どうもこの事件では思った以上に情報が操作されていると感じはじめたので、情報通に参考情…

日本人はどのように見られているか。「ザ・コーブ」

和歌山のイルカ漁を告発し、アカデミィー賞を受賞したドキュメンタリー映画「ザ・コーブ」がDVDになり、やっと観ることが出来た。偏執狂的なものを感じるが、観客の目を意識し計算し尽くした儲けるためのドキュメンタリー映画で、日本人が騒ぐことまで計…

「バトル オブ シリコンバレー」

近くのビデオ・レンタル・ショップがついに閉店になるので、久しぶりにTSUTAYAに足を運んだ。宅配ビデオそしてインターネット配信の時代が近づいてきたので、TSUTAYAですらいつまで店を張っているか解らなくなった。 営業努力なのだろうが、「…

日本アカデミー賞

日本映画制作者連盟の集計によれば、昨年の映画興行収入は2207億円で、2010年比7%増、入場人員で見ても174百万人で対前年3%と一見したところ改善している。しかし、興行成績上位の映画のリストを見て驚かされることは、アニメと漫画が圧倒し…

「太平洋の奇跡ーフォックスと呼ばれた男」

何故この映画を、今、制作するのか解らなかったが、観なければならない映画だと思っていた。1982年にアメリカ人の手になる原作が出版され、それ以来映画化を考えてきた奥田プロデューサーが紆余曲折の末に、太平洋戦争開始から70周年をとらえて映画化…

オリバー・ストーン監督「ウォール・ストリート」

87年に、乗っ取り屋ボエスキーをモデルに制作された秀作「ウォール街」の続編。リーマン事件をモデルにしたということで、楽しみにしていた。それなりの出来ではあるが、物足りなさは否めない映画。①映画の前半は、24日に書いた「リーマン・ショック・コ…

「ソーシャル・ネットワーク」

仲の良いアメリカ人が誉めていたし、ゴールデン・グローブ賞を作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞の4部門で受賞、アカデミー賞の呼び声も高くなり、講義の話題としても使えるので、「ソーシャル・ネットワーク」を観に行った。確かに、悪くない映画であるが、…

Jライトマン監督「マイレッジ、マイライフ」

邦題とGクルーニーが主演であることから、軽い乗りのコメディー映画と思っていたが、ビジネス界を舞台に、たくさんの論点を織り込んだ佳作であり、アカデミー賞候補になったり、他で脚本賞を受賞していることが納得できた。ビジネス界に長年身を置いた観点…

年末、年始の焦燥感

年末から年始にかけては、私の親に子供の相手をしてもらい、集中した時間を作ることが出来たから、銀行マン時代には山崎豊子さんの長編小説のように二日間くらいで読了できる本を読むことが多かった。最近は時間の自由度が高く、二日ぐらいの時間を作ること…

国家・民族と個人

先日、来日したばかりのアメリカ人から「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」という唾棄すべき題名の本について聞かれた。私はこの本を読んでもいないし、触ってすらいない。内容など二の次で、このタイミングで出すべき本ではない。「お母…

映画評論家への道(2)

バタバタと時間が過ぎていったが、気になっていた韓国映画DVD2本を観た。①「息もできない」 昨年の東京フィルメックスでグランプリを受賞した作品。 映画の暴力シーンを観ながら、悲しみの涙が滲んできたのは初めての経験である。 人は経験から自己表現…

映画評論家への道

映画評論家になるには、1万本の映画を観ることが必要だと聞くが、私が観た本数は未だ3千本位だろうか。また、2本が加わったが、問題は同じくらいのペースで忘れ始めているように思われることである。①廣木隆一監督「ヴァイブレータ」 寺島しのぶがたくさん…

東京国際映画祭

10月23日から31日にかけて、六本木ヒルズを中心に第23回東京国際映画祭が開かれた。正確に言えば、映画コンテンツを中心とした見本市のようなTIFFCOM(第7回目),新規企画のビジネス開発市場のTPGが併設され、カンヌ映画祭を代表とする…

「悪人」VS「インスタント沼」

上映中の映画「悪人」はモントリオール主演女優賞受賞が話題にならなければ、観に行かなかったかもしれない作品であるが、上映中は完全に映画に集中させられたという意味では良い映画だと思う。このように考えさせるものを持った佳作が、興行的にもヒットし…

「カティンの森」は現代日本の問題

2008年7月5日のブルグに、アンジェイ・ワイダの映画「カティンの森」について書いているが、やっと観ることができた。家から5分のユナイテッド・シネマが単館系の話題作を1周遅れの割り料金で観せるプログラムを始めてくれたので、大変助かっている…

「告白」

「オールド・ボーイ」「親切なクムジュさん」「チェイサー」「母なる証明」等々、良く出来ているとは思うが、あまりにも毒々しく血の臭いのたち込めた韓国映画は、病的社会を反映しているのではないかという不気味さを感じてしまう。日本では、このような映…

映画雑感

やらなければならないことがあるので、映画とDVDを遠ざけるようとしているが、DVDを借り始めてしまうと、根が映画好きなだけに返却・借入の悪循環が始まる。このところ観たDVDのいくつかの寸評です。(1)「活きる」 チャン・イーモア監督、コン・…

しあわせの隠れ場所

観に行くかどうか迷っていた映画である。迷った理由は、観ている間は人間の善意に幸せを感じ、極めて後味も良い映画であろうことは、そのストーリーや配役の妙から予想でき、観ても新しい発見が少ないと思ったからである。少数の人が本作を「偽善は見るに耐…

10億円欲しい!

映画制作や起業の最初の資金源は、3Fであると言われる。三つのFとは、教科書的にはFounder, Family, Friendsであるが、半分自虐的にFoolsがもっとも重要な資金源であるとも言われている。 私の次男はアメリカで映画監督をしているが、下記のMR. CRUMPAKER…

ハート・ロッカー

前から観に行くことにしてはいたが、アカデミー賞受賞ということで映画館にすっ飛んで行った。「アバター」は見世物として高く評価するが、アカデミー賞は取って欲しくないので、受賞した本作が予想以上の秀作であることが確認でき、納得できた。 アメリカが…

アバター

SF物は嫌いであるし、Jキャメロンも好きでないし、予告編で観た毒々しい絵作りも趣味でないし、昔見た3Dは頭が痛くなったし、「アバター」は観に行かないことにした映画である。 しかし、これだけ話題になると、映画ビジネスを研究するものとしては、相…

フロスト×ニクソン

見損ないの映画を観るために、正月に借り溜めしたDVDのひとつが「フロスト×ニクソン」。 ウォーター・ゲイト事件時に、アメリカ留学中であったが、残念ながらフロストVSニクソンの対決は見損なった。家内を含めリベラルなアメリカ人に囲まれていたことも…

「空飛ぶタイヤ」

WOWOWの関係者から好評の連続ドラマであると聞かされて、正月にDVDを観ることにした。原作も同名であるが、命名が悪く、子供向けアニメかと思っていたが、三菱自動車リコール問題を下敷きにした極めて硬派の社会派ドラマと知って驚いた。 志を失いかけている…

「きみに読む物語(The Notebook)」

時間があれば、観ようと思って沢山借りてきた正月用DVDの1枚である。アメリカのベストセラー本の映画化作品で、日本でもヒットしたので、名前だけは覚えていた。 「私はどこにでもいる平凡な人生を送ってきた平凡な男だ」という最初のナレーションが身に…

「沈まぬ太陽」

「沈まぬ太陽」は本格的社会派映画で、多くの人に観てもらいたい。モデルとされる日本航空との取引を担当していた時期もあり、知り過ぎていることもあるので、本欄の記述は相当に制約されたものになります。 映画の興行成績を意識してか、御巣鷹山事件にあま…

映画産業と銀行産業

「サンシャイン・クリーニング」という映画を観に、木曜日の昼時、日比谷の映画館に行った。開演15分くらい前であったが、平日の映画館としては珍しく、切符を買う行列が出来ていた。日比谷の3スクリーンの東宝だから、行列が出来て当然かもしれないが、…