2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の過去は中国の将来像?

また馬齢1年を重ねてしまった。年末にあたり、個人的問題以外でもっとも気になることを述べるとすると、中国のこれからということになる。 中国が過大に評価され過ぎた年であったが、わが国に100年以上遅れて近代化を始めたわけで、世界を指導するにはほ…

S.パタースン「ザ・クオンツ」

M.ルイス「世紀の空売り」が、これまであまり書かれることのなかったアメリカ金融業界の言われているほどの能力がなく、言われている以上に強欲で利己的な金融関係者の姿を描き出したことを高く評価したが、金融書としてはS.パタースン「ザ・クオンツ」…

マイケル・ルイス「世紀の空売り」

80年代半ば、証券化商品開発担当として投資銀行の聞き取り調査を行った。不思議だったことは、ほとんどの投資銀行の証券化商品開発責任者が元ソロモン・ブラザーズ勤務経験者であり、しかも品格にかける二流アメリカ人といった印象を持たされ、高度な数理…

国家・民族と個人

先日、来日したばかりのアメリカ人から「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」という唾棄すべき題名の本について聞かれた。私はこの本を読んでもいないし、触ってすらいない。内容など二の次で、このタイミングで出すべき本ではない。「お母…

映画評論家への道(2)

バタバタと時間が過ぎていったが、気になっていた韓国映画DVD2本を観た。①「息もできない」 昨年の東京フィルメックスでグランプリを受賞した作品。 映画の暴力シーンを観ながら、悲しみの涙が滲んできたのは初めての経験である。 人は経験から自己表現…