2008-01-01から1年間の記事一覧

日々これ好日

イギリスまで大急ぎで送らなければならない書類があり、近くの小さな郵便局、やや遠くの大きな郵便局、そして宅配便のセンターを回って来たが、郵便局は土曜休日、宅配便はしばらく待たされたあげく受け付けられないとのことで、何のためにバタバタしたか判…

「北斗の拳」と苺

お歳暮に頂いた桐の箱に入った超高級イチゴを食べながら、録画したアニメ「北斗の拳」特集を見た。 「北斗の拳」は伝説的とも言うべき漫画で、某大手金融機関がそのアニメを映画ファンドとしたことから、一度は観ておこうと思っていたが、あまり気の進まない…

「容疑者Xの献身」

暮れで忙しいこともあり、観るか観ないか迷っていたが、近所の映画館での上映が終わってしまうギリギリのタイミングで観た。映画ファイナンスの勉強のために沢山の映画を観ているが、本作は「有名原作+フジテレビ+東宝」という現在の日本映画の勝利の方程…

あるイスラエル映画

イスラエルのジャズやダンスは世界的に高い評価を与えられており、なかなか良い映画も作られている。「迷子の警察音楽隊」は、東京国際映画祭でサクラグランプリを受賞した評判の高い作品で、やっと観ることが出来た。 敵対した隣国エジプトの警察音楽隊がイ…

家族企業(ファミリービジネス)

教えることは教えられることでもある。「日経ビジネス」の最新号が、「家族企業の底力」という特集をしている。ゼミ生の卒論に、「ファミリー企業の強さとその中に潜む課題」というのがあり、私の指導は「『ファミリービジネス』という映画があり、悪党の話だ…

農林中央金庫

農林中金が、有価証券含み損1.5兆円の存在を背景に、1兆円の増資を発表した。農中は、農協系統金融機関の余剰資金約60兆円を運用しているが、うち36兆円を海外の投資運用に振り向けており、ファニメーなど米国住宅金融公社債券に3.5兆円、CDO(債務担…

嘆くまい、嘆くまい

また、素晴らしい秋晴れの土曜日である。関東の秋から冬の晴天は本当に素晴らしい。世界的に見てもそうである。根雪やツルツルの路面に覆われる北国の冬。夜間気温がマイナス20度にもなるシカゴやニューヨーク。日照が短く湿りきったロンドン、パリ。 関東…

強欲資本主義

神谷秀樹「強欲資本主義 ウォール街の自爆」(文春新書)を一気に読み終わった。私の現状認識にこれほど近い内容の本も珍しい。このブログの「サブプライム・ローン問題」に関する記述を読み返していただくとお解かりいただける様に、私もウォール・ストリー…

唯我独尊人物+木偶(でく)

唯我独尊の愚妻と木偶のような亭主の組合せの夫婦は以外に多く、愚妻が衆人環視の中で木偶の亭主を叱咤しているのは、滑稽というより物悲しい見世物である。 男は、(このように書くのは、差別論者の証かもしれないが)授業料を支払う学生の立場から生活費を…

推理小説

仕事や生きて行くには、いろいろ推理することが必要であり、本を買ってまで推理するのは疲れてしまうとの思い込みがあり、推理小説はあまり読んだことがない。 知人が、金融関係では宮部みゆきの「火車」と奥田英朗の「最悪」が面白いと言っていたので、読ん…

過ぎ行く時間の早さよ

歳をとるに従い、時間がより早く過ぎていくと感じるには医学的根拠があると何かで読んだ記憶があるが、昨今、本当に時間がたちまち過ぎて行ってしまう。物は試しにとブログを始めてみたものの、満足な回数を書くことが出来てない。 文章を書くのが遅い人間で…

運・不運

「人生は公正、公平ではない」と言われる。法定老人年齢の65歳になり、この意味をしみじみと感じる機会が増えた。年をとるほど、ついている人生とついていない人生の落差が大きくなる。 定年制度が一つの例で、この制度を残している組織で働いていると、働…

タダのオプション取引

オプションとは選択権のことで、日常的には自動車装備のオプションとか事務所スペース拡張オプションとかいった使い方がされている。 オプション契約の歴史は古代ギリシャないしメソポタミヤ文明まで遡ると言われるが、オプションにより厳密な意味を持たせた…

至福の土曜日?

学期始めの10月は何かと忙しい。サラリーマン時代に比べれば、他人に追い立てられるような忙しさは遥かに少ないが、人間は楽な環境に対しても適応力があるようで、相対的に忙しいと相応の疲労を感じる。 また一週間が終わり、帰宅してほっと土曜の夜を楽し…

アカデミック・ハラスメント

大学で教え始めて4年半になった。学年末に学生が行う授業評価を参考にしながら、教え方の工夫をしている。これまでの評価は良好で、コメントも大半が納得できるものであったが、前期末の評価で「アカデミック・ハラスメントと言っても良い発言に注意してもら…

アメリカのカントリー・リスク

カントリー・リスクとは、海外投融資や貿易取引で、相手国の社会不安や政情不安、想定外の反応などのために資金の回収が不可能となる危険を指し、通常は発展途上国や独裁国家の問題であると考えられている。自由主義を国是とするアメリカは、カントリー・リ…

日米安全保障条約

原子力空母ジョージワシントンが横須賀に入港した。入港に反対してシュプレヒコールを繰り返している人も少なくない。私が大学生の時にも、横須賀への原子力潜水艦入港反対のデモがあり、参加するかどうか迷ったものである。長男の家族が葉山に住んでいるか…

サブプライム・ローン問題(その4)

サブプライム・ローン業界の現場に詳しい知人から、まとまった話を聞く機会があった。予想以上にひどいことが実践されていたことを知り、最近のなりふり構わぬアメリカ政府の対応状況を重ね合わせて、問題の深刻さを改めて認識させられた。 米国サブプライム…

レーマン放置、AIG救済は妥当である

サブプライム問題がこれほど大きくなるとは予想してなかった。メリル・リンチ証券をほとんど倒産にまで追い込んだ経営者が、数十億円の退職金を受け取るわけだから、アメリカのエリート経営者たちが、私利私欲のために会社をとことん利用しようとするのは当…

「押井守」の実像は何か

映画産業を輸出産業にすることが出来るとすれば、実写映画よりアニメの方が可能性が高い。宮崎アニメは、期待されているよりは低いものの、既に一定の輸出力がある。スピロバーグやキャメロン、そして「マトリックス」に影響を与え、海外での評判も高い押井…

あるべき投資資産配分

資産運用の成果を分ける最大の要因は資産配分、つまり運用資産のどの程度の比率をどの資産に割り当てることにあると考えている。最近1年間で言えば、株式投資の比率が高かった投資家は、それが日本株であっても先進国や新興諸国の株式であっても、グローバ…

核家族の問題点

長男のところの孫二人と北海道まで遊びに行った。未だ、7歳と5歳であり、無理な移動には制約があることから、デスティネーション・リゾートに行くことにした。「デスティネーション・リゾート」という概念は、昔、ハワイのホテル開発プロジェクトを担当して…

スカイ・クロラ

アニメ界のカリスマ押井監督に敬意を表して、観に行くことにした映画。難解そうだったので、珍しく予習までして観に行ったが、ほぼ予習したような映画であったので、行かなくてもよかったということかもしれない。 ①宮崎監督の「ポニョ」との比較で言えば、…

理解出来ない「崖の上のポニョ」

巨匠宮崎監督が、「崖の上のポニョ」という子供向けを意識した作品に、どれほど努力されたかというNHKのドキュメンタリーを観、半ば義務感で7歳と5歳の孫を連れて観に行った。 宮崎アニメの半分は観たと思うが、絵のゴテゴテした感覚が嫌いであるとか話…

「ダークナイト」これが映画だ!?

まじめな学生から「ダークナイトの試写を見てきたが、鳥肌が立つほど素晴らしかった」と聞かされた。バットマン・シリーズの最新作で、私の好みではないSFアクションで、彼の話に加えて、新聞その他での評判がこれほど高くなければ、オリンピックを犠牲に…

風説の流布

オリンピックでの超人たちの感動的な活躍を観ていると、こんな薄汚い話を書くことが惨めに感じられるが、まあ人生いろいろである。 「風説の流布」とは、金融商品の価格を変動させる目的で、虚偽の情報を流し、相場操縦をはかることで、金融商品取引法上の禁…

 「バカの壁」――超ベストセラー書の条件

「心頭滅却すれば、火もまた涼し」とばかりに、ツンドクになっていた在庫から、「バカの壁」を読むことにした。400万部を越えるお化けベストセラーだから面白くないはずはないし、面白さの理由を知ってみたかった。5年くらい前からの話題の書で、サラリ…

所得流失

先日の日経新聞に、「資源高の影響を受け、日本の所得の海外流出が米欧と比べても突出して進んでいる。2008年1−3月期で26兆円と1年前の1.6倍に膨らみ、今後も広がる見通し。」とあった。ある国の所得が貿易を通じて海外から流入、あるいは海外に…

定年制度

65歳という法定老人年齢が近づいて来た。八百屋さんやオウナー経営者といった自営業者であれば、あまり意味のない節目かもしれないが、会社や大学など定年の規定がある組織で働く人間には大きな節目である。上手く乗り越えないと、死に損ないの余計物とい…

「ポケモン」と「鉄コン筋クリート」

映画の勉強を続けているが、アニメにはあまり興味がなく、十分にはカバー出来てない。夏休み始めの連休に、7歳と5歳の孫に付き合い、映画に行くことにした。子供で混んでいるはずで、「ポケットモンスター」の最新作か「崖の上のポニョ」のどちらかにあま…