2009-01-01から1年間の記事一覧

良い年でありますように・・・

父が亡くなったこともあり、年賀状を失礼する年が続いています。昨年は、期待していた良いことが実現しなかったという意味で、あまり良い年ではなかったので、今年こそは良い年であって欲しい。 元旦の日経新聞のトップ記事「成長へ眠る力引き出す」を読み始…

北沢秋「哄う合戦屋」

知人から、北沢秋さんの「哄う合戦屋」をいただいた。 時代小説はほとんど読まないが、読み出すと面白くて一気に読んでしまった。主人公の「石堂一徹」の不器用な生き様、「若菜」というお姫さまの明るく天衣無縫な性格設定、そしてこの二人の微妙な関係を楽…

N.N.タレブ「まぐれ」

著者N.N.Taleb氏の名前は “Dynamic Hedging :Managing Vanilla and Exotic Options”(1997)を購入した時期から印象に残っている。知られたトレーダーではなかったし、有名な投資銀行で働いていたわけでもなかったが、エキゾチック・オプションのトレーデ…

ジャック・アタリ「金融危機後の世界」

アメリカの影響を強く受け過ぎた考え方に、フランス人が鋭く異論を聞かせてくれることがある。そんな期待感を持って、本書を読み始めた。 期待は見事に裏切られた。本書は、前回のブログで賞賛したジリアン・テッドの本の対極にある本である。つまり、テッド…

ジリアン・テット「愚者の黄金 大暴走を生んだ金融技術」

旧日債銀粉飾決算に関する経営者責任の判決で、最高裁が高裁へ差し戻したと報ぜられた。ほほ同様に見える旧日長銀の無罪判決と微妙に相異する根拠が議論されているが、両行の仕振の違いや大野木元長銀頭取の誠実さを個人的にも知る立場で言えば、相異する理…

教育労働者

MYU客員教授として、28日(土)に3コマ270分の集中講義を行った。仙台日帰りであることもあってか、非常に疲れたが、歳だとは思いたくない。仙台やその郊外にあるMYUに来ると、緑が多く、故郷に帰ったようにほっとする。人間の住む環境とは思わ…

師走を前に

「明日から3連休。久し振りに仕事は一切いれず、人生を楽しんできます。」このように書きたいと思うが、残念ながらこれは私が最も頻繁に読んでいるブログの昨日の最後の文章である。所謂「出来る人」には、このように上手く区切りを作る人が多い。 「寝てい…

「沈まぬ太陽」

「沈まぬ太陽」は本格的社会派映画で、多くの人に観てもらいたい。モデルとされる日本航空との取引を担当していた時期もあり、知り過ぎていることもあるので、本欄の記述は相当に制約されたものになります。 映画の興行成績を意識してか、御巣鷹山事件にあま…

力になってやれない問題

学生、卒業生や知人から、私では力になってやれない問題の相談を持ちかけられることがある。勿論、この逆に、私の方から力になってもらいたいと知人に連絡をとることもある。 この場合の対応として、①相手にせず黙殺する、②十分に時間をとって話を聞いてあげ…

夢と希望

失望することが多い厄年のような1年が過ぎたと書きました。 自分を説得しようとしてはいるが、説得しきれてない考え方は、ポジティブに考えることである。アメリカのベスト・セラー「サンキューパワー」の日本語版をいただいたので、速読したが、どのような…

さらば、厄年!

9月28日で66歳になりました。過ぎた1年間は、思うようにならないことが山積みの厄年のようでした。 さらば、厄年!

官僚達の夏

危機感を持ち始めたからか、力の入ったテレビ・ドラマが多くなったような気がする。城山三郎原作の「官僚達の夏」もその一つで、原作以上に古臭い印象を与える国士的官僚の活躍を肯定的に強調して描いている。「官僚支配から国民主権に」と言っている民主党…

月見れば、・・・

小さな家であるが、屋上を作ったことは正解であった。暑い時期の夜、屋上でボーとしているのは至福の時間である。 中秋の名月を見ると、大江千里の「月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど」を思い出してしまう。10年以上外国で暮ら…

金融技術軽視への警鐘

先日、ある金融専門誌の編集担当と話していて確信させられたが、最近の日本に於ける金融技術軽視の傾向には大変懸念させられる。この編集者に言わせれば、金融技術の論点は出尽くしており、この半可通以下の編集者も含めて理解は既に行きわたっており、金融…

NHKの存在意義

先日、福地NHK会長が出席されている勉強会で、「日本の文化水準の最低レベルの維持に、NHKの貢献と存在意義は極めて大きい。NHKが無ければ、日本国民のレベルは恐ろしいほど低いものなってしまうと思う」と不遜なコメントをさせていただいた上で、…

「地方分権推進」のナンセンス

昨日乗った電車の中で、またもや不快で悲しい思いをした。日本の女性教育の問題である。大学で教えているが、平均すると女子学生の成績の方が良いのではないかと思っている。彼女達の多くの発想は、現実的で着実で、そして夢が無い。確かに、子供を生み、育…

インチキな連中

ベスト・セラーを続けているという知的創造力開発に関する本を読んだ。著者x氏は有名国立大学の名誉教授であるから、それほどいい加減な人ではないはずであるが、学者の書いた本にしては、原典の引用とか参考文献がほとんど明示されていないことが気になっ…

映画産業と銀行産業

「サンシャイン・クリーニング」という映画を観に、木曜日の昼時、日比谷の映画館に行った。開演15分くらい前であったが、平日の映画館としては珍しく、切符を買う行列が出来ていた。日比谷の3スクリーンの東宝だから、行列が出来て当然かもしれないが、…

映画はやっぱり素晴らしい

多少の必要に迫られ、DVD7本をほぼ連続して観ることになった。予め作品名をリストすると、「その木戸を通って」、「パリ、テキサス」、「風花」、「アキレスと亀」、「モンゴル」、「トンマッコルへようこそ」、「新・仁義なき戦い」で、私が良いと評価す…

無常

親父が死んだ。2月末に大腿骨を骨折、手術をしたが、その負担から回復できず、4ヶ月の入院生活のあと、95歳を目前に他界した。転んで骨折するまでは大変元気で、家族には迷惑を掛けず、まあ天寿を全うした往生と言えよう。 手術のあと、嚥下が出来なくな…

時流に乗る人、乗れぬ人

6月の学内外の勉強会で、時流に乗る人3人、時流に乗れぬ人4人のお話を伺った。勉強会の講師をやられる方々だから、世間では7人とも時流に乗られていると考えられているわけであるが、4人の方は、自分の実力が十分に評価されてないので、ご自身では、時…

JDC信託の蹉跌

ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)信託に業務停止命令が出された。JDCは、映画ファンドなどを信託スキームを利用して、証券化する目的で設立された。通産省のコンテンツ産業育成事業の勉強会の成果から生み出され、トヨタ自動車を筆頭株主に2000…

「ハゲタカ」

評判になっている「ハゲタカ」を観に行きました。 NHKテレビ・ドラマも面白かったが、この映画は予想以上に面白かった。実際の金融経済が激動した時期であったことから、何度もシナリオを書き換えたということであるが、たくさんのトピックスを2時間の枠…

「重力ピエロ」と「チェイサー」

「重力ピエロ」の原作者については、「アヒルと鴨のコインロッカー」の原作者であり、若者に人気の作家であり、私の好きな仙台を舞台に選ぶことが多いといった断片的な知識しかない。したがって、「重力ピエロ」という奇怪な題名の映画が何を題材にしている…

夏時間の庭

新聞の評論を読んだ時、我が家の状況に非常によく似ている話であり、評判も悪くないので、必見リストに入れた。単館上映であり、満席であったら次の予定までの3時間をどう潰そうか心配しながら、映画館に急いだ。映画館に入場できるかどうかを心配したのは…

「スラムドッグ$ミリオネア」後日談

5月4日の本ブルグに、「「スラムドッグ」という映画は、インドを舞台にしたことだけで、相当なドラマティック性を得てしまっているので、インドを選択し得られる自動的な加点部分を差し引くと、アカデミー賞を受賞した映画と雖も、どの程度優れていると言え…

「グラン・トリノ」と「GOEMON」

私にとって通常であれば、この2本の作品は、映画館には観に行かないで、時間があればDVDで観るカテゴリーに属する作品である。しかし、「グラン・トリノ」は日本の代表的映画プロデューサーが「どうして、クリント・イーストウッドはあんなに映画作りが…

朋あり

3月8日に生まれた6人目の孫の名前が「朋」で、ロンドン生まれで、50%ユダヤ人、25%アングロ・サクソン、そして25%だけが日本人である。未だ会ってないが、大柄で男前だということである。娘が亭主と相談して、「朋」という綺麗な字面の名前を付け…

「A.スラムドッグ$ミリオネア」「B.トウキョウソナタ」&「C.闇の子供たち」

先ず、3作品の共通点を整理してみる。 ①私が見たいと思っていた映画で、期待を裏切らない佳作であったこと。 ②若い世代や子供の演技が素晴らしいこと。 ③ある国(A.インド、B.日本、C.タイ)に関して、外国人(A.イギリス人、B.オーストラリア人…

1周年記念

このブログを書き始めてから、ちょうど1年が経ちました。 さらさらと書けてしまう器用な方と違い、身を削るような書き方しか出来ない私には、結構な負担になる時があります。特に、別の書き物をしている時にはブログを休んでしまうことが多かったです。 少数…