教育労働者

 MYU客員教授として、28日(土)に3コマ270分の集中講義を行った。仙台日帰りであることもあってか、非常に疲れたが、歳だとは思いたくない。仙台やその郊外にあるMYUに来ると、緑が多く、故郷に帰ったようにほっとする。人間の住む環境とは思われない新宿を通り、平気でウソがつける信頼出来ない人間が多く、殺伐とした感じになる本務校とはえらい違いである。
 MYUに赴任し、新しい環境に慣れるには時間がかかった。大学の例に違わず、嫉妬心や利己心にもとずく隠微な駆け引きも存在した。それももう思い出の世界で、善人で素直な多くの学生のことが思い出される。県の干渉を煩わしく感じたこともあったが、基本的な人権や尊厳は尊重されており、オウナーの前では奴隷のような気遣いをし、奴隷が奴隷を管理するような現在の本務校とは異なっている。文部科学省が大学に値しない組織に大学の許可を下し、十分に監督出来てないこともあってか、考えられない程の低賃金教育労働者である非常勤教員、特任教員という有期限の契約労働者、教員の公募には数十倍の応募者があるという教員の供給過剰状態、タイムレコーダーによる出退勤管理の導入等々、とても大学教員としてのプライドを持つことが出来ない教育労働者が急増してきている。この傾向が続くのであれば、世界に通用する人材を育てるあるべき大学の姿から、益々遠のいてしまう。向学心に富んだ学生が予想していた以上に多いだけに、申し訳ないと思うと同時に大変残念なことであると思う。