朋あり

 3月8日に生まれた6人目の孫の名前が「朋」で、ロンドン生まれで、50%ユダヤ人、25%アングロ・サクソン、そして25%だけが日本人である。未だ会ってないが、大柄で男前だということである。娘が亭主と相談して、「朋」という綺麗な字面の名前を付けてくれたことも嬉しい。

 連休中に「久しぶりに会いたい」と5人の友人・知人にEメールで連絡した。既に、その内3人とは昼食やお茶をごいっしょし、昔話や近況交換の実に楽しい時を過ごすことが出来ました。将に「朋あり、久しぶりに会うこと楽しからずや」である。

 これに対して、残りの二人からは返事のEメールすら返ってきてない。一人は大手経済紙の金融担当記者で、最近もよく著名記事を書いているし、もう一人は、現役の金融経済誌の編集長で、二人とも病気ということではない。昔、先輩から「ジャーナリストとの付合いは、油断をするな」と教えてもらったが、デリバティブリスク管理等々を忙しい時間を割いて、あれだけ親切に教えてあげた連中が、言い訳のEメールさえ返してこないことは、意外であったし、無礼なことであると感じている。確かに、信頼できる情報源の銀行マンから老いた田舎教師に転職しているわけだから、今後、連中の重要な情報源になる可能性は少なくなり、利用価値がなくなったと判断するのも無理からぬところではある。 しかし、今回、彼らに会いたくなった理由には、これらの大手経済紙や金融経済誌が今回の金融危機の原因をまだまだ整理しきれていないことを、具体的に議論したかったし、教えてあげたいこともあった。彼らが追従笑いを浮かべながら、勉強がてらの取材に来ていた時期から10年が流れ、彼らなりの自信を持っているのであろうが、知らざるを知っていないようである。
 ジャーナリストには、人は利用できる限りの付き合いと考えるいやな連中がやはり多いのであろう。そのうちに、この新聞と雑誌の間違いを別の雑誌に書いてやるから、待っていろよ。こう書いて、いよいよ厭味な老人に近づいてきたことに気付かされた。もう少し年月が経てば、「老兵は死なず、消え行くのみ」と素直に言えることになるのであろう。
 朋あり、朋に救われる。合掌