唯我独尊人物+木偶(でく)

 唯我独尊の愚妻と木偶のような亭主の組合せの夫婦は以外に多く、愚妻が衆人環視の中で木偶の亭主を叱咤しているのは、滑稽というより物悲しい見世物である。
男は、(このように書くのは、差別論者の証かもしれないが)授業料を支払う学生の立場から生活費を稼ぐ労働者の立場に追い込まれる確率が高く、女は子供を生み育てる生活になる確率が高い。したがって、男は世の中には自分より優れた連中が沢山いること、我慢して頭を下げなければならないこと、他人に気を使わずしてスムーズな世渡りができないこと等々を強制的に教えられる機会が多い。これに対して、自分の子供や犬といった命令を聞かせられる存在に囲まれ、世の中に対してもオカネを使う消費者としての強い立場で接する機会の多い専業主婦が、小さい了見で唯我独尊的になってしまう傾向が強いのではないだろうか。世間で立派な立場についた男の家政婦兼慰安婦でしかない人生の奥様が、上品ぶった偉そうな顔をしているのを見ると嫌悪感を禁じえない。
このようなペアーが運営する組織も悲劇である。日本の組織では、担ぐ神輿は軽く、見てくれの良いものに限るとばかりに、ヘラヘラ笑い以外に能がないような人物が先代の支持で組織の長になってしまうようなケースが少なくない。このような人物が世間を知らない独断的な悪妻的人物を子分として登用してしまうと、組織は急速に腐り始めることになる。この唯我独尊氏が情緒不安定である場合には、その悲劇性は一層深刻になり、先ずまともな方法で改善することは不可能である。そのような組織に属している場合には、無駄な抵抗をせず、実力を涵養して、別の機会を待つことである。