映画

映画はやっぱり素晴らしい

多少の必要に迫られ、DVD7本をほぼ連続して観ることになった。予め作品名をリストすると、「その木戸を通って」、「パリ、テキサス」、「風花」、「アキレスと亀」、「モンゴル」、「トンマッコルへようこそ」、「新・仁義なき戦い」で、私が良いと評価す…

時流に乗る人、乗れぬ人

6月の学内外の勉強会で、時流に乗る人3人、時流に乗れぬ人4人のお話を伺った。勉強会の講師をやられる方々だから、世間では7人とも時流に乗られていると考えられているわけであるが、4人の方は、自分の実力が十分に評価されてないので、ご自身では、時…

JDC信託の蹉跌

ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)信託に業務停止命令が出された。JDCは、映画ファンドなどを信託スキームを利用して、証券化する目的で設立された。通産省のコンテンツ産業育成事業の勉強会の成果から生み出され、トヨタ自動車を筆頭株主に2000…

「ハゲタカ」

評判になっている「ハゲタカ」を観に行きました。 NHKテレビ・ドラマも面白かったが、この映画は予想以上に面白かった。実際の金融経済が激動した時期であったことから、何度もシナリオを書き換えたということであるが、たくさんのトピックスを2時間の枠…

「重力ピエロ」と「チェイサー」

「重力ピエロ」の原作者については、「アヒルと鴨のコインロッカー」の原作者であり、若者に人気の作家であり、私の好きな仙台を舞台に選ぶことが多いといった断片的な知識しかない。したがって、「重力ピエロ」という奇怪な題名の映画が何を題材にしている…

夏時間の庭

新聞の評論を読んだ時、我が家の状況に非常によく似ている話であり、評判も悪くないので、必見リストに入れた。単館上映であり、満席であったら次の予定までの3時間をどう潰そうか心配しながら、映画館に急いだ。映画館に入場できるかどうかを心配したのは…

「スラムドッグ$ミリオネア」後日談

5月4日の本ブルグに、「「スラムドッグ」という映画は、インドを舞台にしたことだけで、相当なドラマティック性を得てしまっているので、インドを選択し得られる自動的な加点部分を差し引くと、アカデミー賞を受賞した映画と雖も、どの程度優れていると言え…

「グラン・トリノ」と「GOEMON」

私にとって通常であれば、この2本の作品は、映画館には観に行かないで、時間があればDVDで観るカテゴリーに属する作品である。しかし、「グラン・トリノ」は日本の代表的映画プロデューサーが「どうして、クリント・イーストウッドはあんなに映画作りが…

「A.スラムドッグ$ミリオネア」「B.トウキョウソナタ」&「C.闇の子供たち」

先ず、3作品の共通点を整理してみる。 ①私が見たいと思っていた映画で、期待を裏切らない佳作であったこと。 ②若い世代や子供の演技が素晴らしいこと。 ③ある国(A.インド、B.日本、C.タイ)に関して、外国人(A.イギリス人、B.オーストラリア人…

映画「いまを生きる」

必要があり、久しぶりにDVDを観ました。何度観ても、傑作は良いものです。 アメリカで行われた「起業を教える人のための講習会」に参加されたある教授から、「いまを生きる(Dead Poets Society)」が教材に使われたとの話を伺って、観ることにしたのが初…

おくりびと

米国アカデミー賞を受賞して以来、映画「おくりびと」が大変に話題になっており、今更のコメントが恥ずかしいくらいである。この映画は封切りになると直ぐに観に行った映画であり、年に何本かは封切りが待ち遠しい作品がある。現時点で言えば、「スラムドッ…

「めがね」

「クロサギ」「少林少女」等々の観たことを後悔するような映画が続いたので、宅配DVDのサービスを中断することにした。観るべき映画をほとんど観たとは思っていないが、2年間にわたり優先して映画を観る生活をしてきたが、限界効用が逓減したと言うか飽…

金融技術革命

金融ビジネスの論客で知られるY先生からいただいた年賀状に、「金融工学のパイオニアからご覧になると、今の金融動乱はどう眼に映るのですか?」との添え書きが付けられていた。確かに、ここ3年ほどはあまり金融技術に関して、雑誌論文のような形で発言し…

「北斗の拳」と苺

お歳暮に頂いた桐の箱に入った超高級イチゴを食べながら、録画したアニメ「北斗の拳」特集を見た。 「北斗の拳」は伝説的とも言うべき漫画で、某大手金融機関がそのアニメを映画ファンドとしたことから、一度は観ておこうと思っていたが、あまり気の進まない…

「容疑者Xの献身」

暮れで忙しいこともあり、観るか観ないか迷っていたが、近所の映画館での上映が終わってしまうギリギリのタイミングで観た。映画ファイナンスの勉強のために沢山の映画を観ているが、本作は「有名原作+フジテレビ+東宝」という現在の日本映画の勝利の方程…

あるイスラエル映画

イスラエルのジャズやダンスは世界的に高い評価を与えられており、なかなか良い映画も作られている。「迷子の警察音楽隊」は、東京国際映画祭でサクラグランプリを受賞した評判の高い作品で、やっと観ることが出来た。 敵対した隣国エジプトの警察音楽隊がイ…

推理小説

仕事や生きて行くには、いろいろ推理することが必要であり、本を買ってまで推理するのは疲れてしまうとの思い込みがあり、推理小説はあまり読んだことがない。 知人が、金融関係では宮部みゆきの「火車」と奥田英朗の「最悪」が面白いと言っていたので、読ん…

至福の土曜日?

学期始めの10月は何かと忙しい。サラリーマン時代に比べれば、他人に追い立てられるような忙しさは遥かに少ないが、人間は楽な環境に対しても適応力があるようで、相対的に忙しいと相応の疲労を感じる。 また一週間が終わり、帰宅してほっと土曜の夜を楽し…

「押井守」の実像は何か

映画産業を輸出産業にすることが出来るとすれば、実写映画よりアニメの方が可能性が高い。宮崎アニメは、期待されているよりは低いものの、既に一定の輸出力がある。スピロバーグやキャメロン、そして「マトリックス」に影響を与え、海外での評判も高い押井…

スカイ・クロラ

アニメ界のカリスマ押井監督に敬意を表して、観に行くことにした映画。難解そうだったので、珍しく予習までして観に行ったが、ほぼ予習したような映画であったので、行かなくてもよかったということかもしれない。 ①宮崎監督の「ポニョ」との比較で言えば、…

理解出来ない「崖の上のポニョ」

巨匠宮崎監督が、「崖の上のポニョ」という子供向けを意識した作品に、どれほど努力されたかというNHKのドキュメンタリーを観、半ば義務感で7歳と5歳の孫を連れて観に行った。 宮崎アニメの半分は観たと思うが、絵のゴテゴテした感覚が嫌いであるとか話…

「ダークナイト」これが映画だ!?

まじめな学生から「ダークナイトの試写を見てきたが、鳥肌が立つほど素晴らしかった」と聞かされた。バットマン・シリーズの最新作で、私の好みではないSFアクションで、彼の話に加えて、新聞その他での評判がこれほど高くなければ、オリンピックを犠牲に…

「ポケモン」と「鉄コン筋クリート」

映画の勉強を続けているが、アニメにはあまり興味がなく、十分にはカバー出来てない。夏休み始めの連休に、7歳と5歳の孫に付き合い、映画に行くことにした。子供で混んでいるはずで、「ポケットモンスター」の最新作か「崖の上のポニョ」のどちらかにあま…

アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男

NHKは軍資金も人材も豊富である。昔、金融関係のドキュメンタリー制作をお手伝いして、他のテレビ局との大きな差を感じさせられた。したがって、NHKのドキュメンタリーには、世界的水準の作品が散見されても不思議ではない。6月15日に放映されたE…

 西の魔女が死んだ

私の家内はイギリス人で、子供3人、孫5人がいる。この映画の予告編を観たときに、これは観なければいけない映画だという義務感におそわれ、直ぐに梨木香歩の原作を読んだ。疲れていたこともあったが、書出しの部分でやたらと無駄に言葉が使われているとの…

仮想世界と現実世界(その2)

16日の本ブログに「仮想世界と現実世界」を書いて、翌17日に「連続幼女誘拐殺人犯 宮崎死刑囚の刑執行」となり、その偶然に驚いた。宮崎死刑囚は、幼い4人を殺害した犯人であるが、自宅に大量のビデオテープを所有していたことや性格の異常性が話題にな…

仮想世界と現実世界(その1)

ビジネスマンであった頃は、毎日、関係者と議論や会議をして現実の問題を解決・進展させようとしていた。大学教授に転ずると、本や資料を読み、考えて纏めるという一人の作業が多くなり、現実に存在する問題以上に理論や歴史的背景を考えるという言わば仮想…

最高の人生の見つけ方 (THE BUCKET LIST)

腰痛がひどい時など、生きるのが面倒だと感じる歳になった。人生、残り時間を意識して生きる歳でもある。本作の原題(THE BUCKET LIST)は、死ぬまでにやっておきたいことのリストということらしいが、私はそのようなリストを準備しているわけでもない。リク…

素晴らしいドキュメンタリー・ドラマ

ドキュメンタリー作品というと、NHKのように、出来るだけ感情を排し、客観的な印象を与える作品が本来の姿であるような気がしていた私にとっては、感情を前面に出したドキュメンタリー・ドラマとも呼ぶべき作品を2本続けて鑑賞した。Dear Pyongyang ディア…

フィクサー

本年度アカデミー作品賞など多数の部門で候補作であり、社会派スリラーという私の好きな題材であるから、遅ればせながら「フィクサー」を観に行った。大変面白かった。 アカデミー作品賞を受賞した「ノーカントリー」、同候補作「ゼア・ウィル・ビー・ブラッ…