ビジネス

「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」

私が専門にしてきた金融分野を対象にしたアカデミー賞受賞ドキュメンタリーであるから、観るのを楽しみにしていた。映画館は遠隔地だったので、DVD化されたので早速観賞した。 マイケル・ムアーのドキュメンタリーよりは正統派で洗練された作りで、イルカ…

池田純一「ウェブ×ソーシアル×アメリカ」

知人に薦められ読むことにした。サブタイトルの「全球時代の構想力」にも惹かれたが、実際の内容は「Google,Apple,Facebook, Twitterはなぜアメリカで生まれたのか?」という帯の記述に近い。 博学な著者の記述と思考法に引き込まれて一気に読了した。望遠鏡…

トム・ハートマン「ADD/ADHDという才能」

事業構想論や起業ファイナンスを教えていて、気になることがある。それは、新しい事業を構想する能力は、生まれつきのものなのか否か、どこまで教育できるものなのかということである。「天才は99%の努力と1%のインスピレーションからなる」とエジソン…

善意か、それとも地震デリバティブか

東北大震災には、数限りない悲劇と多くの小さな善意が錯綜しており、何度も泣かされている。今晩も被災地に缶詰パンを無料で届ける「パン・アキモト」の話に感激し、義捐金を送金したところである。少額の義捐金位しか能が無いから、もう何度目かの善意の義…

東京電力の責任とその負担

KMVというベンチャービジネスが、90年代前半に企業の信用リスク計測モデルを開発し、世界の機関投資家が採用するまでに普及した。株価変動とオプション理論を応用した優れたモデルであるが、先方が日本企業への応用に苦労していたこともあり、何度かサ…

「ソーシャル・ネットワーク」

仲の良いアメリカ人が誉めていたし、ゴールデン・グローブ賞を作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞の4部門で受賞、アカデミー賞の呼び声も高くなり、講義の話題としても使えるので、「ソーシャル・ネットワーク」を観に行った。確かに、悪くない映画であるが、…

Jライトマン監督「マイレッジ、マイライフ」

邦題とGクルーニーが主演であることから、軽い乗りのコメディー映画と思っていたが、ビジネス界を舞台に、たくさんの論点を織り込んだ佳作であり、アカデミー賞候補になったり、他で脚本賞を受賞していることが納得できた。ビジネス界に長年身を置いた観点…

真山仁「ベイジン」

中国問題を考える材料にツンドクとなっていた真山仁「ベイジン」を読んだ。読み出したら止められない面白さであったが、無理やりエンディングに持ち込まれた欲求不満と残尿感が残っている。日本の技術で中国に巨大な原発を建設し、北京オリンピックの開会式…

東京国際映画祭

10月23日から31日にかけて、六本木ヒルズを中心に第23回東京国際映画祭が開かれた。正確に言えば、映画コンテンツを中心とした見本市のようなTIFFCOM(第7回目),新規企画のビジネス開発市場のTPGが併設され、カンヌ映画祭を代表とする…