またもやコップの中の嵐

 菅民主党は、鳩山前首相の暴君小沢一郎氏と心中するという大功績(6月4日ブログ)を活かすことが出来なかった。大変残念である。民主党敗北の原因は、菅首相が消費税問題を不用意に持ち出したことにあると言われるが、私はそうは思わない。国民の過半は、外国との比較からしても早晩消費税を引き上げざるを得ないことは理解している。10%とかいった水準も腰ダメで、深慮のたりない菅首相自民党との対立点にならないように、とり合えず同じ10%と言ったことも大多数は理解している。むしろ、国民を馬鹿にして、これを争点にしたマスコミの取り上げ様が酷過ぎると思う。
 本当の敗因は、小沢・鳩山時代に国民を失望させたカネの問題、沖縄を弄んだ問題、マニフェストの嘘などなど、菅氏が多少とも実権を持つようになる時期以前の民主党の不誠実さにある。菅氏が前内閣の副首相格であったが、実権はほとんどなく、したがってあまり責任もなかったことは国民は理解していた。したがって、何故今回の選挙を小沢・鳩山民主党の懺悔と反省いうことで戦わなかったもであろうか?菅、仙谷、枝野の左翼リベラルが軸になる内閣を作ったのであれば、古い自民党以上に薄汚い体質の小沢グループを批判する民主党として戦わずに、消費税などという取り敢えずはどうでも良い問題に触れたのであろうか?今回の選挙は、民主党以外であればどの政党でも良いとする国民感情が人材払底の自民党に流れ、名前も覚えられないような弱小新政党に流れただけで、菅氏が党を割る覚悟で民主党自己批判を展開すれば、勝利出来た様に思われるし、そうして欲しかった。表ではヘラヘラ笑いを浮かべ、ウラでは「イラ菅」として関係者を怒鳴りつける人望の無い販売課長のような菅氏の器が見えてしまったような選挙になってしまい、本当に残念である。これで、またあの悪が、党を割るとか何処と野合するとか言い出すはずで、またもや日本の政界はコップの中の嵐、何の進展もない権力闘争に明け暮れる田舎政治を続けることになる。時間は待ってくれない。国を国民を玩具にするな。