中国問題再び

 新学期のスタートや「東京国際映画祭」などでバタバタして、ブログの更新が出来なかったが、この間に中国問題が想定していたような展開を見せてきた。本日も、「中国側の申し入れで、ハノイの日中首脳会談が見送られた」と報じられ、今しがた「菅首相温家宝首相が10分間だけ会談」と伝えられた。このような中国側の右往左往した応対は、中国内部の混乱した権力闘争を反映したものと考えるべきであろう。

 先に、習近平が次期指導者としての地位を固めたとされる。習氏は上海グループの総帥江沢民の後押しで権力の座を登ってきた太子党であり、江沢民の時代から中華人民共和国は大国意識を剥き出しにした対外強硬路線が目立つようになり、江沢民の対日政策は、一貫して反日・強硬路線を採ったことを考えれば、近い将来、日中が簡単に友好関係を築くチャンスはなくなったと考えざるを得ない。温家宝氏には失脚説も流れており、温氏と会談しても多くを望めない。
 つまり、反日的な勢力が中国の権力者である時代が当面は続くわけで、人間関係で言えば、自分を嫌っている人に媚ても諂っても、バカにされ、ますます軽く扱われる関係を避けられないような状況であろう。したがって、9月30日に書いたように、わが国は中国との関係改善という無い物ねだりをするのではなく、アセアン諸国、インド、(台湾)、韓国、米国等との連携に努め、中国が暴走することが出来ない状況を作り出すことが、平和な状態を継続する選択のはずである。商人国家日本が得意とする算盤カンジョウで見ても、中国13億人に対してインド12億人、経済成長が高いアセアン諸国等々の現状を考えれば、中国と筋の通った関係を貫いても問題ないはずである。しばらくすれば老人大国になる中国より若者が多いインドが重要であろうし、より低賃金のアセアン諸国に中国企業が工場移転を始めているご時世であるから、中国に嫌われても十分にやっていけるはずである。嫌われた女に未練を残しても何も得られない。