孫娘そして幸福とは

kashiwaoak2008-05-05

始めて会った孫娘がロンドンに帰ってから1週間となり、やっと日常的な精神バランスが戻ってきた。1歳8ヶ月の可愛い盛りの孫娘が帰ると、恋人と別れたような気分になり、いないことが大変に寂しかった。恋人の場合、直ちに単なる他人の関係に変化しうるから心配なのに対して、孫娘の場合には、その血のつながりは永遠であることから、1週間で日常的な精神バランスに戻ることが可能になったように思われる。
5人の素晴らしい孫に恵まれているが、女の子はこの孫娘ひとりで、ロンドンで生まれたから、桜の花と供に来日した今回が最初の面会となった。好奇心と物まねで急速に成長する時期であるから将に可愛い盛りであり、祖父ちゃんの欲目で見るから一層可愛らしく見える。日本人25%、アングロ・サクソン25%、ユダヤ人50%のブレンドで、「世界の美人地帯は、混血の進んだ地帯」という説を信じれば、将来が楽しみであると一応言うことが出来るかもしれない。確かに、いっしょに鎌倉巡りをした折、たくさんの人から「可愛いので、いっしょに写真を撮らせてください」と言われていたから、その可愛らしさはあながち祖父ちゃんの欲目だけではないようである。まあ、日本人50%、アングロ・サクソン50%のブレンドである娘に言わせれば、「日本はこれだからまずい。子供が特別の存在であるかのように誤解してしまう」と言うことになる。
NYには、日本人25%、アングロ・サクソン25%、ドイツ人50%のブレンドの孫息子がおり、日本にいる3人の孫息子のブレンドは日本人75%、アングロ・サクソン25%となっている。

昔読んだ高橋和己の本にあったと思うが、「人間だれしも自分が一番大事で、同心円の中心は自分である。円の中心の自分が幸福であるには、次の同心円の“家族”の幸福が前提になり、その家族の幸福は次の同心円である“地域社会”そして“国”、“世界”が幸福であることが必要になる。国の繁栄のために個人が存在するというように、この同心円の順序を逆にした社会は人間を不幸にする。」
この整理の仕方には同感できるが、孫娘が幸福であるためには、おばあちゃんや従兄弟が住んでいるイスラエルの平和が前提になり、私の幸福の条件としてもイスラエルの平和が必要になる。NYの孫息子したところで、あのワールド・トレード・センター爆破事件の5日後にNYで生まれたわけであるし、女房が守っているイギリスの田舎の家の近くには白鳥などの渡り鳥がたくさん飛来し、鳥インフルエンザが心配である。そう言っている自分も、孫息子2人を乗せていた自動車事故の後処理中であるし、そろそろ起こりそうな関東大震災の心配もしなければならない。幸福になることは大変難しいことである。あるいは気の持ち様ひとつであると言うことかもしれない。限りない心配は、限りない楽観に通ずるということか。