コップの中の嵐(2)

 この間まで政治家との接触が多かった財務省OBを含む6人での晩飯懇談会があり、最近の一連の出来事から菅総理が予想以上に軽い人物であるとの結論で一致した。例えば、笑い顔が人間の一面を巧まず示すものだとすれば、鳩山さんの笑い顔には周囲に気を使いながらも自分の常識はずれの信念を押し通そうするような一途なものを感じたし、滅多に笑わない小沢氏に親しみを感じさせられたことはなかった。これに対し、菅さんの笑い顔を見ていると、中身が何も無いように思われてしまう。時の運で総理になり、三日天下かもしれないのに、奥さんが奇妙な本を出版することを止められずにはしゃいでみたり、闇将軍に黙っていろと分不相応に喧嘩を売ってみたり、消費税が問題視され批判されると直ぐにゴメンナサイしてみたり、本当に安っぽい。
 しかし、それにしても民主党議員総会の菅批判はあまりに酷くないだろうか。つい2ヶ月前に総裁に選出し、前任の小鳩政権の金と政治の問題、沢山のマニフェスト約定破り、沖縄や政治運営の不手際などで民主党が選挙に敗北すると、その責任を自分らで担いだ新米の総裁の失言に擦り付けてしまおうとする様は、天に向かってつばを吐き、自ら民主党の墓穴を掘っている以外の何者でもないことに何故気がつかないのであろうか。ブザマなコップの中の嵐はもう沢山である。
 二代目、三代目の世襲政治家でないことから菅さんには多少期待するものを持っていただけに、中古車ブローカーの販売課長代理にように、客に向かってはヘラヘラと笑い顔を振りまき、少し問題があると器の小ささを証明するような渋面を見せられると本当に失望させられてしまう。