なでしこJAPAN

なでしこジャパンの活躍は、久しく忘れていた感動を思い出させてくれた。
感じさせられたことを列挙すれば、次のようになる。

①下品な漫才師崩れが、つまらぬことをしゃべりまくって年間10億円を稼ぐという愚者の楽園の世の中で、恵まれぬ環境下に苦労を重ねて磨き上げた技を見せ、人間の努力の素晴らしさを再確認させてくれたこと。

②国際的な会合等で、小さく薄汚い自分に絶えず劣等感を覚えてきたが、小さな者は小さいなりに美しく闘う術があることを示してくれたこと。

③彼女達が終始自信に満ち、精神的な余裕と落ち着きを見せてくれたこと。必死に戦って勝つ日本人の姿は珍しくないが、ギリギリの状況で、反対側にアウトサイド・キックするとか大きくループ・シュートするといった精神的な余裕がなければ不可能なプレーで勝利する日本人の姿は、めったに見られるものではない。自分の信ずる道で努力を続け、人知れず海外に武者修行に出たりして築き上げた己の力を信ずることができる人だけが示せる所作であり、態度であると思う。

 彼女達のような美しい人間が日本、いや世界には沢山いることを信じたい。