金融危機の本質

 ①アメリカの高名な金融工学の学者が、飛行機ではなく汽車で学会に来ました。
「またなんで?」「統計データを整理していて、最近はちょくちょく、爆弾をかかえたテロリストが機内にいるんだ、ということに気付いたんです」
 学者仲間はなるほどと思った。ただ、数ヶ月たつと当の教授はふたたび飛行機に乗っていた。そこでみんなで尋ねました。「統計を調べた結果、何か新しいことでもわかりましたか」
「ひきつづき調べたところ、突き止めたんです。爆弾をかかえたテロリストが二人、いちどきに乗りあわせることはまずない、と」
「で?」
「だから、私が必ず爆弾をかかえて乗ることにしたんですよ」


②大勢の人が船に乗って航海をしていた。アメリカのヘッジ・ファンド・マネジャーが自分の座っている船底にのみで穴をあけていた。人々が驚いて叫び声をあげたとき、彼は『ここは私の席だから、私が何をしようとかまわない』と平然と言った。
 しばらくして、全員が沈んでしまった。


①+②=金融危機