何故に今、円高・株安なのか。

 何故に今、円高・株安なのか。
円高による輸出環境悪化と説明される円高・株安の連鎖が止まらない。ドル、ユーロ、円の悪さ比べで、円が買われていると説明されるが、日本人投資家が外貨投資を減らし円に戻している部分がほとんどではないだろうか。経済状況が良好なオーストラリヤやカナダ、ブラジルの投資家がファンダメンタルの良好な母国通貨を売って円に投資しているとはとても思われない。しかし、円はこれらのより高金利で経済状況も良好な通貨に対しても高値にある。日本人が外貨を嫌って円貨に戻しているとしか思えない。
 最大の債権国日本の資金が為替相場を左右しても何ら不思議ではないことに加えて、FX投資としてパチンコと同じ位簡単に外貨投機が出来るようになったので、「着物トレーダー」達が先物ポジション残高などを拠り所に為替投機を行っており、彼らはチャートは見ても面倒なファンダメンタル分析を研究しているとは思えないし、長期為替相場ファンダメンタル分析で行うことはプロにとっても至難なことで、通常プロは通貨の長期ポジションは取らない。
 何を言いたいのかというと、通貨や株式投資のリスクをもっと取るべき金融機関(広義)が金融庁や政府主導でリスクを避けてしまっており、これに代わって「着物トレーダー」を含む小金持ちの個人が、ゴシップや外国人の受け売りとチャート分析しか流さないマスコミ情報で、大きなノイズ・トレーダーを形成し、相場を振り回しているのではないだろうか。日本人個人投機家の理屈に合わない投機行動が、円高・株安の主因ではないだろうか。しかし、大きなノイズ・トレーダーに立ち向かっても勝ち目は少ない。夏休みを取って、冷静に考えてみたい。