年賀状

 お年玉付き年賀状の当選番号をチェックしながら、頂いた年賀状の枚数同様に切手シールの当たり枚数も大きく減少したことに、改めて気付かされた。ピーク時の五分の一程度になっている。
 最も大きな減少理由は、大学に転職して以降、私が年賀状を出さなくなってしまったことだと思う。銀行勤めの時代は、営業用の義理年賀状があったことから、それなりの枚数は出してきた。やや不本意な気持ちで大学に転職してからは、世捨て人志向、虚礼廃止、面倒、名簿をパソコンに整理してから出そう等々の理由から、年賀状を出さないまま、年が過ぎていった。たった50円で最低限の関係が維持出来るのだから、年賀状を出さないのはバカであるという自分の声は聞こえていたが、ここ数年気が付くと大晦日になっていた。
 当たり番号を確認しながら、妙なことに今年から頂けなくなった方々のことが気になった。亡くなったのだろうか、親しい友人ではなくなったとの消極的通告だろうか、昨年頂いた年賀状と対比しているわけではないから不正確であるが、頂けなくなった方々のことが妙に気になった。あんなに面倒をみてやったのに、年賀状すらくれなくなったと思い浮かぶ顔もある。
 これとは反対に、大変お世話になった方々、借りのある方々、尊敬する方々等からの丁寧な賀状を拝見すると、少なくともこの方々には出しておくべきだったと反省せざるを得ない。
 先週、相談に来た学生に、「今年の学生は年賀状をくれた奴が少ない。現在世話になっている先生に年賀状を出すくらいの気配りが出来ないようでは、何をやってもうまく出来ないのではないか」と、自分のことを棚上げして、勝手なことを言ってしまった。
 今年の年末には、パソコンに入れた名簿から人並みの年賀状を出すことにしょう、と今現在は反省している。年賀状が減るのは、髪の毛が減るのと同様に淋しいものである。
 こんな私を忘れずに年賀状をお出しくださった皆様、ありがとうございました。