日経CNBC

 金融市場の動きが激しい時には、先ず日経CNBCのニュースを見る。CNBCニュースは好きではない。何故あのようにハイテンションで声高に、しかも煽るような早口でしゃべるのであろうか。まるで、いい加減なものを心理的に酔わせて売りつけるいかがわしい商法のようで、とてもじっくり考える余裕を与えてくれない。しかし、このように早口で煽るニュースの伝えた方が、経済メディアのグローバル・スタンダードであり、この事が世界の金融市場をよりヴォラタイルにし、リスクを増加させて来たようにすら思われる。
 CNBCやCNNに登場する日本人キャスターが少ないことは、残念であるし、日本の情報発信にはマイナスであろう。帰国子女や外国生活の長い日本人も増加したはずだが、内弁慶が多いと言うことなのだろうか。しかし、それ以上に残念なのは、日本のニュース・バリューが急速に低下してきたことである。例えば、今日の日経CNBCの朝8時のニュースは、サムソナイトやPRADAの株式の香港市場上場のニュースである。日本語の書類を大量に要求するといったコスト高な日本の株式市場が、外国企業から見切りをつけられたことは最早昔の話であるが、本国製より高品質のサムソナイトを製造している日本、ブランド狂いの日本市場から、既に外資は中国市場の将来性に目を向け、パッシング日本になっていることの好例である。
 ノンビリと眠くなるようなNHKニュースのテンポになれ、世界から無視される国に落ちこぼれて行っても、仕方ないと多くの日本人が考え始めているようであるが、一旦落ちるともとに戻ることは大変に難しい。放射能に汚染された落ちぶれた島国にはなりたくない。