社会問題

理解出来ない「崖の上のポニョ」

巨匠宮崎監督が、「崖の上のポニョ」という子供向けを意識した作品に、どれほど努力されたかというNHKのドキュメンタリーを観、半ば義務感で7歳と5歳の孫を連れて観に行った。 宮崎アニメの半分は観たと思うが、絵のゴテゴテした感覚が嫌いであるとか話…

風説の流布

オリンピックでの超人たちの感動的な活躍を観ていると、こんな薄汚い話を書くことが惨めに感じられるが、まあ人生いろいろである。 「風説の流布」とは、金融商品の価格を変動させる目的で、虚偽の情報を流し、相場操縦をはかることで、金融商品取引法上の禁…

 「バカの壁」――超ベストセラー書の条件

「心頭滅却すれば、火もまた涼し」とばかりに、ツンドクになっていた在庫から、「バカの壁」を読むことにした。400万部を越えるお化けベストセラーだから面白くないはずはないし、面白さの理由を知ってみたかった。5年くらい前からの話題の書で、サラリ…

所得流失

先日の日経新聞に、「資源高の影響を受け、日本の所得の海外流出が米欧と比べても突出して進んでいる。2008年1−3月期で26兆円と1年前の1.6倍に膨らみ、今後も広がる見通し。」とあった。ある国の所得が貿易を通じて海外から流入、あるいは海外に…

定年制度

65歳という法定老人年齢が近づいて来た。八百屋さんやオウナー経営者といった自営業者であれば、あまり意味のない節目かもしれないが、会社や大学など定年の規定がある組織で働く人間には大きな節目である。上手く乗り越えないと、死に損ないの余計物とい…

「ポケモン」と「鉄コン筋クリート」

映画の勉強を続けているが、アニメにはあまり興味がなく、十分にはカバー出来てない。夏休み始めの連休に、7歳と5歳の孫に付き合い、映画に行くことにした。子供で混んでいるはずで、「ポケットモンスター」の最新作か「崖の上のポニョ」のどちらかにあま…

アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男

NHKは軍資金も人材も豊富である。昔、金融関係のドキュメンタリー制作をお手伝いして、他のテレビ局との大きな差を感じさせられた。したがって、NHKのドキュメンタリーには、世界的水準の作品が散見されても不思議ではない。6月15日に放映されたE…

ある頭取(その2)

ブックステーバーの「市場リスク 暴落は必然か」を読み終えた。読む前と後で、リスク管理や金融技術に関する大局観には変化がない。同じ時代に同じようなことを考えて来た人間の若干違った経験を聞くことには、参考になる点や確信を強めてくれる点があったが…

ある頭取(その1)

本ブログを始めていくつかの反応があった。昨日「ブログを読んだ。久しぶりに話しに来ないか」というお誘いを受けて、ある銀行の頭取とお話をした。 伺うと、机の上に2冊の本が置かれていた。R.ブックステーバーの「市場リスク 暴落は必然か」とB.マン…

仮想世界と現実世界(その2)

16日の本ブログに「仮想世界と現実世界」を書いて、翌17日に「連続幼女誘拐殺人犯 宮崎死刑囚の刑執行」となり、その偶然に驚いた。宮崎死刑囚は、幼い4人を殺害した犯人であるが、自宅に大量のビデオテープを所有していたことや性格の異常性が話題にな…

仮想世界と現実世界(その1)

ビジネスマンであった頃は、毎日、関係者と議論や会議をして現実の問題を解決・進展させようとしていた。大学教授に転ずると、本や資料を読み、考えて纏めるという一人の作業が多くなり、現実に存在する問題以上に理論や歴史的背景を考えるという言わば仮想…

金融士

金融庁の発案で、「金融士(仮称)」資格の創設構想が打ち出されている。これも遅きに失した政策であるが、無いよりはマシな制度になることを期待したい。 40年前、公務員ではなく銀行に就職することにした時点で、プロ金融マンとして公認会計士の能力が必…

素晴らしいドキュメンタリー・ドラマ

ドキュメンタリー作品というと、NHKのように、出来るだけ感情を排し、客観的な印象を与える作品が本来の姿であるような気がしていた私にとっては、感情を前面に出したドキュメンタリー・ドラマとも呼ぶべき作品を2本続けて鑑賞した。Dear Pyongyang ディア…

 平泉

平泉の世界文化遺産登録が延期されたというニュースが流れた。 仙台に住んでいる時に、見逃すべきでないものの一つが平泉であると考え、車を使い一泊二日で平泉を訪れた。京都・奈良とはいかないまでも、少なくとも鎌倉の半分くらいは見るものがあるとの前提…

フィクサー

本年度アカデミー作品賞など多数の部門で候補作であり、社会派スリラーという私の好きな題材であるから、遅ればせながら「フィクサー」を観に行った。大変面白かった。 アカデミー作品賞を受賞した「ノーカントリー」、同候補作「ゼア・ウィル・ビー・ブラッ…

大学教育をどう考えるのか

前回に引き続き、大学教育を考えてみたい。 我国の重要な中期的課題の一つが教育問題であり、大学及び大学院教育であると考え始めてから久しい。例えば、10年ほど前に出版した本の中にも「アメリカの金融教育」の章を設け、ビジネス教育における日米間の圧…

専門職大学院

専門職大学院と言う言葉はやっとわが国でも定着したかに思われるが、専門職大学院で十分にその機能を発揮出来ている成功例は未だ極めて少ない。 1971年に社費留学生としてアメリカのビジネス・スクールに留学させてもらった時の驚きは未だ鮮明に覚えてい…

腰痛と社会

昨年の後半から、腰痛がひどい時がある。痛む時には、まさに体の要であり、生きて行くのが面倒になる。西洋医学は痛み止めの薬以外はほとんど無力と言ってもよいような状況で、腰痛経験者から教えてもらった種々の方法を試み、漢方薬で小康状態に入っている…

大いなる陰謀

連休の最後は、R.レッドフォードに敬意を表し、「大いなる陰謀」のレイトショーを観に行くことにした。映画の投資採算性 映画やDVDを観る前に、Yahoo映画サイトのユーザーレビューを見ることにしているが、本作の平均評価は3点弱と低い。但し、こ…

オタク文化と経済問題

岡田氏のオタク論 岡田斗司夫「オタクはすでに死んでいる」(新潮新書、2008年)を読んだ。コンテンツ産業、なかんずく漫画・アニメ関連に対しての経済的期待感が強く、経済産業省なども数々のプロモーションを行ってきた。漫画・アニメ関連の根底には「オタ…

GWの映画館

昨年4月、水曜日の午後6時開演であったが、駅から5分の映画館で、「どろろ」をたった一人の観客として観ることになった。柴咲コウのファンではあるが、本作は私の好みの分野ではなく、大宣伝に乗せられることもシャクだったので、見ないことにしていたが…