日記

黒木亮「獅子のごとく」

数年前から、突然の腰痛に苦しんでいる。幸い、慢性の腰痛にはなっていないが、何かに拍子に突然襲ってくる。腰痛が治ったと思ったから、昨年は久しぶりにイギリスの田舎に行き、素晴らしい夏休みを過ごしたが、その最後の二日間は腰痛に襲われ、また弱気に…

年末、年始の焦燥感

年末から年始にかけては、私の親に子供の相手をしてもらい、集中した時間を作ることが出来たから、銀行マン時代には山崎豊子さんの長編小説のように二日間くらいで読了できる本を読むことが多かった。最近は時間の自由度が高く、二日ぐらいの時間を作ること…

尖閣ビデオの流失

流失した尖閣ビデオの内容は、海上保安庁の現状や艦艇の損傷状況から予想した線のものであった。主権在民で、国民の一人としての主権者である私としては見てみたいと思っていたし、公開すれば多分中国漁船の傍若無人の振る舞いが確認され、日本に有利な国際…

読むと損する本

読んで損したと思った本が2冊続いたので、私がAmazonに書いたレビューをご紹介したい。①山下真弥「ハーフはなぜ才能を発揮するのか」(PHP新書) (中身のいい加減さに愕然とした) アメリカ人とイギリス人のハーフである愚妻と、既に30代になった3人…

中国問題再び

新学期のスタートや「東京国際映画祭」などでバタバタして、ブログの更新が出来なかったが、この間に中国問題が想定していたような展開を見せてきた。本日も、「中国側の申し入れで、ハノイの日中首脳会談が見送られた」と報じられ、今しがた「菅首相と温家…

対中国制裁試案

25日の「元の切り上げや自由化をしないのであれば、日本とアメリカは国債を中国には売らないことにする」という意見が理解出来ないと言われたので、少し詳しく説明します。この意見はD・グロス欧州政策研究センター所長がWSジャーナルに投稿されたもの…

佐藤優「国家の罠」

鈴木宗男有罪確定を機会に、積読になっていた本書を読むことにした。5年も前から評判になっていた本書をなかなか読む気にならなかったのは、直感的に信用できる本ではないと感じていたことと読みにくい文章であったことによる。「講釈師、見て来た様な嘘を…

コップの中の嵐(3)

民主党代表選挙で菅総理が大勝した。国会議員に限った得票比率はほぼ拮抗していたが、選挙を仕切った小澤幹事長が西も東も分からないような新人議員から受けた恩返し得票を差し引いて考えれば、予想以上の大勝と考えられる。軒を貸しただけの民主党が、薄汚…

「スギハラ・ダラー」「ウルトラ・ダラー」

面白い読書で厳しい残暑が忘れられればと、手嶋龍一さんの「スギハラ・ダラー」を読んだ。小説家としてのデビューになる前作「ウルトラ・ダラー」が大変面白かったので、本作も期待して読んだ。しかし、残念ながら、前作が傑作すぎたのか、著者の個性が悪い…

イギリスの夏(5)

「17歳の肖像」というイギリス映画があります。原題は"An Education"で、1961年を舞台とする人気記者の回顧録に基づき2009年に映画化され、多くの映画祭で高く評価されています。原題の方が映画の問題意識に忠実で、日本マーケット向けの邦題は内…

イギリスの夏(4)

イギリスに滞在中に、銀行勤めをしていた頃の部下とその家族に久しぶりに再開した。彼は、ケンブリッジ大学の数学科を卒業し、新入社員として入社してきた。英国訛りの英語が印象的であったが、それ以上に強く印象に残っているのが、入社早々に「新聞紙はじ…

イギリスの夏(3)

「日本語は日本人の魂とかの議論は学校以外で生活したことのない学者先生にまかせて、百万人ぐらいは日本人としても十分教養がありしかも美しい発音で、内容のある文法的に正しい英語を話せ、理解できるような人を養成しなければ日本の将来はない」 これは寺…

イギリスの夏(2)

「サマーウォーズ」という日本のアニメーション映画があります。多少話題になった作品ですが、見逃していたのでテレビ放映を録画しておいて昨晩観ました。情報ネットワークに関するところは理解できませんでしたが、私のイギリスの夏と幾つかの共通点があり…

イギリスの夏

日本に住む孫二人を連れて、久方ぶりに女房のイギリスの田舎に行って来た。ロンドンに住んでいるので未だ会ったことが無かった1歳の孫を含めて、9歳を頭に5人の孫と2週間強いっしょに生活できたので、将に至福の夏休みであった。女房の何代か前の財を成…

コップの中の嵐(2)

この間まで政治家との接触が多かった財務省OBを含む6人での晩飯懇談会があり、最近の一連の出来事から菅総理が予想以上に軽い人物であるとの結論で一致した。例えば、笑い顔が人間の一面を巧まず示すものだとすれば、鳩山さんの笑い顔には周囲に気を使い…

またもやコップの中の嵐

菅民主党は、鳩山前首相の暴君小沢一郎氏と心中するという大功績(6月4日ブログ)を活かすことが出来なかった。大変残念である。民主党敗北の原因は、菅首相が消費税問題を不用意に持ち出したことにあると言われるが、私はそうは思わない。国民の過半は、…

ワールド・カップ終了

日本が予想以上に健闘したことから、サッカーW杯は大変な盛り上がりとなった。日本が未だ勝ち残っていた時に、その日一日にお話する機会のある人達のほぼ全員に「W杯に興味をお持ちですか?」と聞いてみることにした。 男のビジネスマンが回答の多数派であ…

野口先生、ここから如何されますか

敬愛する野口悠紀雄先生の最近の投資判断を6月3日に引用させていただいた。日本人投資家の中期的な懸念材料がインフレと円安であることは同感であるので、このまま単純な円預貯金中心のポートフォリオを永久に続けるわけにはいかないが、ここから如何すれば…

惜敗

W杯対オランダ戦、日本は予想以上の善戦をしてくれた。対カメルーン戦より、内容は良かったと思う。 などと素人が偉そうなことを書いているが、世界45位の日本代表でも個々の選手の能力は信じられないほど高い。大学時代に体育会サッカー部の練習に参加させ…

たかがボールゲーム

あと2時間でW杯の対オランダ戦が始まる。多分、大敗することであろう。間違って勝ったとしても、オランダは人口15百万人の小国に過ぎないから、日本が勝っても本当は驚くべきではない。 小学校の時は、夏は野球、冬は蹴球をやったものだ。1年先輩に犬飼さ…

鳩山首相の大功績

また一人、首相が失脚した。二世、三世のお坊ちゃま達が、ダダをこねて首相の座に座ってみたものの、能力を超えた激務に耐え切れず、玩具を投げ出すように退陣を重ねてきた。職を投げ出しても立派に食べられるお坊ちゃま達が羨ましが、国民は大いに迷惑でも…

またもや「円預貯金者」の勝利

大学で「証券投資分析」を教えたり、証券アナリスト協会の役員もしているので、またもや証券投資で損をしましたとは言いづらい。 「敗者の条件」という本があるが、投資市場の過半の取引は年金運用や投資信託といったプロが請け負っているので、市場平均はプ…

映画雑感

やらなければならないことがあるので、映画とDVDを遠ざけるようとしているが、DVDを借り始めてしまうと、根が映画好きなだけに返却・借入の悪循環が始まる。このところ観たDVDのいくつかの寸評です。(1)「活きる」 チャン・イーモア監督、コン・…

素晴らしき若者達よ!

宮里藍のオチョア引退試合での優勝、石川遼の58打での優勝。野球のイチローとゴジラ松井。 我々の世代で、一人で海外で本当に活躍できるスポーツ選手を想像することは難しかった。今や自然体で、自分の力だけで活躍する若者達がこれだけ出てきている。ダメ…

ブラック・ジョーク

あるブログからのコピペであり、出所は霞ヶ関との噂であるが、この位うまいジョークになると、紹介したくなってしまう。「日本には謎の鳥がいる。正体はよく分からない。中国から見ればカモに見える。米国から見ればチキンに見える。欧州から見ればアホウド…

サンデー・プロジェクト

田原総一朗の「サンデー・プロジェクト」が、本日限りでやや不自然に21年の放送を終了した。田原氏の直裁で下品な切込みが好きであっただけに、大変残念である。題材の選択の偏り、国際的な話題や文化的な問題に弱い等の弱点はあっても、一つの報道番組に…

オリンピック

近況報告でブログを書いているが、他のことに追われだすと、あまり器用でないだけに昨今のように日記ではなく月記になってしまう。先日、前に務めていた大学のゼミ生が集まってくれて、楽しい一時を過ごしたが、多くの参加者がこのブログを読んでいてくれた…

達磨

正月には、近所の神社に来る臼井さんから達磨を買うことにしている。子供が海外留学生だった時代は、友達への土産に色とりどりの達磨をたくさん買って帰ったし、多国籍家族であったこともあり、年一回しか顔を会わせないのに名前も覚えてくれている。 今年は…

良い年でありますように・・・

父が亡くなったこともあり、年賀状を失礼する年が続いています。昨年は、期待していた良いことが実現しなかったという意味で、あまり良い年ではなかったので、今年こそは良い年であって欲しい。 元旦の日経新聞のトップ記事「成長へ眠る力引き出す」を読み始…

教育労働者

MYU客員教授として、28日(土)に3コマ270分の集中講義を行った。仙台日帰りであることもあってか、非常に疲れたが、歳だとは思いたくない。仙台やその郊外にあるMYUに来ると、緑が多く、故郷に帰ったようにほっとする。人間の住む環境とは思わ…